赤羽の猫 – ほぼ野良猫

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東京のなかでも野良猫の密度がかなり高い赤羽は、東京23区の北端にあります。数年前には東口に猫カフェがあったのですが移転してしまい、今赤羽で出会える猫は基本野良猫です。

赤羽の街の中心はJR赤羽駅。赤羽駅の一日の乗車人数は約9万3千人で、この数字は渋谷駅の約4分の1に相当します。都心から離れているわりには人の往来が多い駅です。

この赤羽、街としてのイメージは良くないです。垢抜けなく、オシャレじゃない。ごちゃごちゃして、治安も悪そう。とくに女性には人気がないです。イメージ的には、自由ヶ丘や代官山の対極にある街、それが赤羽です。

東口には、あまりキレイとは言えない居酒屋や、立ち飲み屋が軒を連ねます。千円でベロンベロンに酔える、いわゆる「せんべろ」と呼ばれる類の飲み屋さんが多いです。早朝から営業している飲み屋も多数あります。

どうして赤羽に朝からお酒を飲ませる店が多いのかと言うと、北区にはかつて工場が多かったからです。夜勤明けの工員さんたちが朝からお酒を楽しむ街。それが赤羽だったのです。

そして、そんな赤羽は、実は猫の街でもあります。

赤羽の猫たち

西口の猫街

赤羽駅の西口には商店が少なく、駅前のイトーヨーカ堂をすぎると住宅地が広がります。その住宅地の奥の方、住所で言うと赤羽西三丁目、上十条五丁目、西が丘二丁目あたりの一帯、細い路地がグニャグニャ入り組むエリアに野良猫が多数生息しています。

このエリアの野良猫密度は相当高いです。谷根千エリアに匹敵すると言えましょう。

ただし、野良猫エリアは駅から遠いので、徒歩で猫散策は大変です。駅チカで猫を探すなら、おすすめは繁華街がある東口です。

東口の猫たち

赤羽駅の東口は、値段の安い飲み屋が多いです。間口の狭い飲み屋がひしめきあい、午前中から酔っ払いが歩く街です。前夜の盛り上がりの帰路ではありません。朝から飲みはじめて、午前10時、11時ころに、ほどほどに出来あがった人たちです。

こういう街には、かならず野良猫がいます。

マリリンの看板猫

そんな赤羽の猫を代表するのは、この2匹です。

長毛種の血を引くとおぼしき容姿のこの猫は、イメージクラブ「マリリン」と忍者パブ「ドン」の飼い猫です。よく似た猫が2匹一緒にいます。

「マリリン」も「ドン」も、女性が男性に対してあれやこれやのサービスをするお店です。

長毛種ですから、元来は良いお家の飼い猫の血統を引いているのだと思いますが、いまは路上の野良猫です。でも、呼び込みのおじさんから美味しいエサをもらって、幸せに暮らしています。

2匹はとても良く似ていますが、一匹は人懐っこく、一匹は人見知りが激しいので、態度で見分けがつきます。

階段をあがったところが「マリリン」です。

猫カフェだったら入店してみるんですけどね。ちょっと趣向が違いますからね。

呼び込みのおじさんがお休みのときは、近所の猫好きの方がエサの補充をしているようです。

赤羽公園

東口から5分ほど歩くと、大きな公園があります。この公園の横には赤羽図書館があり、大小のホールや講堂がある区立の施設「赤羽会館」もあるのですが、それにもかかわらず、このエリアに文化の薫りは希薄です。

公園は濃い緑が覆っていますが、失礼ながらあまり清潔感はありません。強烈なクレンザーの匂いを50m先まで放つ公衆トイレが、来訪者の警戒心を刺激します。

この公園で猫に会いたいときは、夕方以降、となりの西友でお弁当を買って、ベンチに座って食べましょう。猫たちはどこかから貴方を観察しています。そして、向こうから寄ってきます。

ここの猫たちは、お弁当のおすそ分けを貰うことに慣れています。

昼間は隣の団地の子どもたちがいるので、猫はどこかに避難しています。いうまでもなく、野良猫の最大の天敵は人間の子供ですからね。

歓楽街の猫、夜の公園の猫、どちらもたくましい猫の処世です。

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